社団法人 日本建築家協会(JIA)の派遣により、5月11日・12日の2日間、宮城県名取市に住家被害認定調査に行ってきました。名取市といえば津波による流失家屋が多く、仙台空港などの津波の惨事の様子が報道されたところです。栃木県内の調査も続く中ではありましたが、東北でも何かお手伝いができないかと思っていたところの派遣要請で何とかスケジュール調整して参加しました。
調査は罹災証明をとるための被害度の判定で、当日は7班編成で市役所担当職員と同行して市内各地域に散らばっていきます。私の班の調査対象地域は山手の方の住宅が割り当てられ、一日約15~20件の調査を行い、被災度の高い住宅はすでに調査が終わっておりましたので比較的軽傷の一部損壊や半壊の建物が主体となりました。
調査の合間に見た津波被害の地区は報道では知っていたものの、散乱する車、あるはずの無い漁船が道路脇に、など目の当たりにする惨状に言葉が出ませんでした。

当日朝に集合場所の名取市役所に入りますとまず目に入ってきたのが、メッセージが貼ってあるロビーに拡がる情報・伝言掲示板です。
そこには、「無事です」「探しています」「連絡ください」「頑張ります」・・・などのメッセージの山です。
一人ひとりのメッセージを見ていると・・思わず目頭が熱くなってきました。

調査事務局の部屋に入ると「調査進捗を表した住宅地図」が張り出されており、内容を見てまたビックリです。

この地図は色分けされた家屋が表され、その凡例をみると
青表示が流失家屋で、赤が全壊家屋です。ビックリして聞きなおした程です。
調査中お会いしたおばあちゃんの言葉が忘れられません。
「不公平だ。神様は不公平だ。みんな頑張ってきたのに!」
って遠くを見ながら話してくれました。
・・・返す言葉はみつかりませんでした。
いろいろ考える機会となり、ほんとうに行って良かったと実感しています。
by 慶野
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