事務所で年末恒例の研修旅行に行ってきました。
多数の物件が進む中ではありますが、何とか日程を調整しての実施です。
・・・多少の不安感はありながらですが、これも良い仕事をするためと自分に言い聞かせて。。。
今年は、鎌倉・横須賀方面の一泊2日です。
まあ見るべき建物は数知れず、限られた時間の中で「ここだけは」と選択して見学してきました。
沢山の建物を見学しましたがその一部をご紹介します。
まずは、鎌倉といえば鶴丘八幡宮境内の森に囲まれ池に面して建つ「神奈川県立近代美術館」です。
この建物は、日本におけるモダニズム建築を代表するものです。もちろん私も学生の頃から何回も足を運んだ建物でル・コルビュジェの下で学んだ故・坂倉順三氏の作品であることは周知のことです。
ところが神奈川県が敷地を所有する鶴岡八幡宮との土地貸借契約を更新しない方針が発表され、2016年3月末で閉館することが決まったそうです。建物の存続はまだ決まっていませんが誠に残念な事態です。
たとえ用途が変わったとしても建築以来60年も経つ貴重な建物を消すようなことがないようにせつに願っています。
で、記念撮影

次に葉山の傾斜地に建つ吉田五十八作品です。
日本画家・山口蓬春氏の画壇での華々しい活躍を支えてきたアトリエのある「山口蓬春記念館」です。
昭和28年の画室を始めとする増築改装は吉田五十八氏設計によるもので、その後建築家・大江匡氏により手が加えられ記念館として生まれ変わった建物です。
山口蓬春氏についての知識は恥ずかしながらまったくない私達ですが言うまでもなく吉田五十八建築の見学が主な目的です。
展示品については流し観で終わったものの吉田氏作の画室に入るととたんに空気が変わりました。庭の緑、赤い楓・・が惜しげもなく室内に飛び込んできます。スタッフ一同「うわ~~!!」「すげー!」の歓喜!
座ることが許されているソファーに腰を掛けるとしばし時間を忘れてしまいました。
それからは、建物各部の絶妙なディチールや構成を武者震いしながら見入りました。
流石としか言いようのない「吉田五十八建築」・・・とっても楽しかった。

最後にご紹介するのは、初めて訪れた山本理顕氏設計の「横須賀美術館」です。
海に臨む丘陵地に建ち、ロケーションもフォルムもとても綺麗な山本理顕建物です。
郊外に建つ美術館として滞在型に設えられているのが基本的なコンセプトとしています。
その為、アプローチに最も近いところに海を臨むレストランやショップ、ワークショップ室があり、更に奥の図書館や屋上デッキには自由に進むことができチェックを受けるのは展示室のみ、と美術鑑賞以外の楽しみ満載でした。
狙い通りに思い思いの時間を過ごしている来館者が多いことにも驚きました。正にプランの力ですね。
コメントの投稿