先日、日本建築家協会・栃木クラブ主催の見学会に参加しました。
当事務所からも3名参加し、JIA会員、一般、学生と様々な参加者18名のバスツアーです。
当日は朝8時に宇都宮駅に集合し、いざ目指すのは埼玉県です。
まず、最初の見学は川越です。
残念ながら時間の関係で川越の蔵の集中する伝統建築群は車中からの街並み見学となりましたが
目的地は「ヤオコー川越美術館」(伊東豊雄氏設計)です。
洋画家・三栖右嗣氏の作品の記念館であり、その作品と経歴を読み解いていく中から伊東氏は
「光を媒体にしながら空間の性格が絵と響きあうような関係」を作ることをコンセプトにしたようです。
シンプルな正方形プランを4等分し、それぞれ自然光の取り入れ方が工夫されており空間の質が部屋ごとに異なる
とても印象的な空間でした。
また、建築関係者の見学来館も多いようで館長さんの自信に満ちた対応も印象的でした。
因みに、展示物目的の来館者と建物目的の来館者はあるアンケートで五分五分だったそうです・・・。
[ヤオコー美術館で参加者の皆さん]
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次に訪れたのは浦和です。
別所沼公園内に建つ「ヒヤシンスハウス」という小さな小屋?です。
これは、天才とも言われた建築家でもあり詩人の立原道造氏の設計です。
しかし、若くして他界した立原氏はスケッチだけ残して実現しなかった作品です。
その後、有志の方々の手により実現した建物は公園内にひっそりと建っていました。
とても小さくて狭い内部は一人分の楽しむ居場所としては充分なのか、窓の外の景色とあいまってとても居心地の良さそうな空間でした。
今もボランティアの方々により管理され、笑顔でご案内いただきました。
ありがとうございました。
[ヒヤシンスハウス外観]
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ヒヤシンスハウスから程近い「埼玉県立近代美術館」が最終見学地です。
黒川紀章氏設計の同建物はもとより、「戦後日本住宅伝説」と題した企画展を最も楽しみにしていました。
これは、戦後建築を取巻く様々な問題に取組みながら表現を追及してきた建築家達の住宅作品展です。
14人の巨匠達の住宅作品を写真、模型、映像は勿論、特徴的なのは展示作品の空間体験を促す大きな写真幕でした。
ついこの前で歩いてみたり、立ち止まったり入り込んでしまいました。
何れの作品も学生のときから勉強してきた作品ばかりですが懐かしいだけではなく、あらたな気づきや興味をそそる期待以上の展示内容で満足感たっぷり味わいました。
夕方解散し、最寄り駅の北浦和からの車中は思わず買ったばかりの図録をみながらあっという間に小山に帰ってきました。
・・・・とても充実した見学会でした。
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